西大伍vs登里享平ファウル誤情報のtwitter拡散について考える。サッカー初心者のルールの誤解を防ぐにはどうすべきか?

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 昨日の天皇杯決勝戦では、鹿島アントラーズが川崎フロンターレを下し、5回目の優勝を果たしました。両チームによるハイレベルな好勝負でしたが、試合後に残念なことがありました。それは、twitterで明らかな誤情報が拡散されたことです。

 これは下動画の24:35頃のシーン。ハイボールの落下点に入ってヘディングしに行った西大伍に対して、登里享平が後ろから潜り込んでトリッピングの反則を取られた場面です。(トリッピングについてご存じない初心者の方はこちらのサイト様の「ボールの着地点をジャッジする」という段落のイラストが参考になるかと)


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 ヘディングでの競り合いの際はお互いに飛ばなければならないのが鉄則(飛ばないならば、相手の邪魔にならない場所に引っ込む)。何故かというと、相手がちゃんと飛んでくれないと、正当なヘディングをしに行った選手が相手に乗り上げてしまい、頭や背中から地面に落ちる危険性が高いからです(正当なヘディングというのは、ジャンプの高さやタイミングがボールに向かっていることですね)。この場面では、落下点に間に合わなかった登里が、ボールに向かってジャンプした西の足を引っかけてしまったため、大変危険なプレーでした。いまいちわからない方にかみ砕いて説明すると、この場面は「西が登里の頭を蹴った」のではなく「登里がプレーとは無関係の場所で、西の足に頭突きして転ばしに行った」わけです。言うまでもないですが、頭と足がぶつかるのは、西の足が高い位置にあるからからではなく、登里の頭がボールと無関係の低い位置にあるからです。したがって、ごく当然のジャッジとして登里のファウルが取られ、鹿島ボールのフリーキックでプレーが再開されました。

 ここまでは、サッカーをある程度観ている人ならば当たり前と感じる内容です。空中戦でのトリッピングは試合中に発生しないことの方が珍しく、実際にこの試合でも鹿島の選手が飛ばずにトリッピングのファウルを取られる場面がありました。このルールを知らない人は、毎試合何を見てきたのかということになります。

 しかし、驚くべきことに、このルールを知らない人が謎のツイートをして、しかもかなりの数のリツイートをされていました。それは以下の通りです。(削除されたのでスクリーンショットです。確か500リツイート程度されていたような。)

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 動画が消されたので分かりにくいですが、無根拠に西のファウルを主張するどころか、もはや名誉棄損の内容でした。これを読んだ私は、「地上波放送だと、ド素人の初心者の方もサッカーを見るんだなぁ。」とややうんざりしつつ、以下の訂正ツイートを書いてあげました。

 本人から謝罪や訂正ツイートが当然あると思ったのですが、間違いに気づくとツイートを消すだけで逃亡し、アカウントに鍵をかけてしまいました。ちなみに、この私のツイートに対して「西は斜めにジャンプしているからファウルだ!」というコメントをくれた有り難い方もいましたが、当然そんなルールはサッカーには存在しません。むしろ、ヘディングの名手として有名な岩政選手は、斜めへジャンプしてのヘディングを推奨しています(参考記事)。しかも、「斜めはファウル」と主張する方は「私は川崎サポではない」とわざわざ書いていますが、昔のブログを見ると川崎サポだとすぐわかります。なんで一瞬でばれる噓をついたのでしょうか?

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 まぁ、一文の中で2つ嘘をつくという高等テクニックを用いたファンタジスタはさておき、今回気になったのは私のツイートが元ツイートが消されるまでの短時間で100リツイート以上されたこと。「もしかして、このルール(ヘディングにおけるトリッピングの反則)を知らない人って意外といるのかな?」と考えてtwitterを探すと、誤情報が他にも拡散されていました。最も拡散されているのは、以下の2つのようです。

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 この両アカウントの共通点は、普段はアイドル画像を大量にツイートしている方々であること。それ故に、フォロワーの中に正しいサッカーの知識を持つ方がおらず、言い方は悪いですが「無知な方から無知な方へと」どんどん情報が拡散してしまいました。

 もちろん、せっかくの地上波放送ですから、このように初心者の方の間で話題になることは本来好ましいです。しかし、間違った知識が広まるのはまずいでしょう。

 これを防ぐには、本来であればtwitter利用者の民度に期待したいところではあります。ルールを調べてからツイートするのが理想です。しかし、これだけ簡単に誤情報が広まってしまうところを見ると、それに期待するのは無理があるでしょう。

 となると、今回の最大の戦犯はNHKの解説・実況でしょう。普通のサッカーファンには当たり前すぎる知識でも、初心者の方が間違えないようにしつこいくらいに説明をしてあげるべきです。その点、今回の実況アナは全くサッカーのルールを知らないようで意味不明な発言が多かったです。仮にもサッカー中継なので、最低限のルールを把握しているアナウンサーを起用するべきだったでしょう。

 いずれにせよ、初心者に正しい知識を啓蒙していかないと、ファンのすそ野が広がりません。地上波放送は一般層への貴重な露出であるからこそ、ルールの正しい理解という点まで意識したプロの仕事をしてもらいたいです。

(追記)
twitterで大量に質問が寄せられているので、参考になりそうな返信をまとめた画像を追加しておきます。要点は、
・西大伍が最高到達点で落下点に到達
・登里享平は落下点に入っていない
・西の足が登里の頭に当たるのは登里が適切なタイミングで飛ばないから
ということです。
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